福岡高等裁判所宮崎支部 昭和27年(う)771号・昭27年(う)772号 判決
収賄罪におけるいわゆる職務とは公務員がその地位に伴い、公務として取扱うべき一切の執務を指称するもので、独立の決裁権がなくても上司の指揮監督の下にその事務を取扱いまたは上司の職務行為を補佐するに過ぎない従属的地位に基いて取扱うべき事務でもここにいわゆる職務と解すべきであるから、経済関係罰則の整備に関する法律中にいわゆる職務とあるのも、右と同一に解すべきが相当である。そこで、今、所論に鑑み原判決挙示の証拠を綜合すれば被告人の九州配電株式会社(現在九州電力株式会社)鹿児島支店における営業課調整係をしての職務は一般電力需要者から提出された受電認可申請書その他関係書類を調査検討し右会社及び関係官庁が許否の決定をする資料となるべき副申書の起案に当る事務を内容とすることまことに原判決認定のとおりであるから、その職務がよしんば所論のように最下部にして且つ事務的又は取次的ななものであつて、受電認可につき許否を決する重大事項については、はるかに縁遠い地位にあるものとしても、なお、被告人は同支店の上司である営業課長等の指揮監督の下に、同課長等の職務行為を補佐して事務を取扱う者であることが認められるので前説示するところにより、被告人が自己の職務に関し、賄賂を収受すれば経済関係罰則の整備に関する法律違反罪の成立すること、多言を要しないところである。
(後略)